キーパーソンインタビュー
女性としてのキャリアの築き方や、ワーキングマザーとしていきいきと働くコツなど、働く女性のロールモデルになりうる方、もしくは女性が輝くための制度や施策を導入している人事担当者へのインタビューです。
キーパーソン インタビュー
既成概念にとらわれず、あらゆるアイディアを検討したい
仕事を進めていく上で心がけていること、大切にしている考え方は何ですか?
渡辺:日々心がけているのは、既成概念にとらわれず、どんなにクレイジーでもワイルドでも、あらゆるアイディアを検討しよう、ということです。例えば昨年、今までよりさらに品揃えを増やすために、これまでに無かった新しいやり方で、効率的に品揃えを拡大していくための、組織作り・新しいプロセス・ツールの開発を提案し、現在、実行に移しています。
加えて、ヨーロッパで同じ課題を抱えているという情報も仕入れたので、ヨーロッパのチームとコミュニケーションを重ねてアドバイスをもらい、ツールの開発はヨーロッパやアメリカのチームにお願いするなど、目の前にあるリソース以外に視野を広げることで、プロジェクトを進めています。
自分だけの力でできることには限りがあります。足りないスキルは、人的補強や、外部発注で補えるかもしれない。今後も多様なサービスが求められていくでしょうから、あらゆる可能性に目を向ける柔軟性は大切にしたいですね。
荒川:私はOLPの「Insist on the Highest Standards」という考え方を常に意識しています。これは、常に最上級にこだわり続けるということなのですが、私は「現状に満足しない」と解釈し、自分のチームメンバーにもよく話しています。「出品ビジネスが日々進化していく中、今のサービスだけでいいはずがない。もっとこうしたらいいんじゃないか」など、よりよくなる可能性に目を向け、外の情報に耳を傾けることが大切だと思います。
各国の出品ビジネスの人間が集まるインターナショナル・ミーティングに参加することが多いのですが、「現状に満足しない」という気持ちで出席していると、他の国の事例や課題が、すばらしいヒントとして耳に入ってくるようになりました。現状に満足したら、それ以上のものは生まれません。「まだまだこれから」という意識を持ち続けることを、これからも大切にしていきたいですね。
あえて、「何も決めない」ことも大切です
キャリアを前向きに考える働く女性に向けて、メッセージをお願いします。
荒川:「次のステージに行くには、こういうキャリアパスを積まなくてはいけない」とか、「このプロセスを踏まなくちゃいけない」などと、あまり決めすぎないようにすることも大事だと思っています。
「こうしなくちゃ」と決めるから、できていないとイライラしたり焦ってしまったり、必要以上に周囲と自分を比較してしまうのではないかと思います。
渡辺:なるほど!「決めない」って、いいですね。20代の方にお会いすると、キャリアを急ぐゆえに「これも違う、あれも違う」とあちこちに行こうとする方がいるのですが、あくまでも私の持論としては、20代の5年から7年間は「自分はこの道のプロである」という、基礎となる何かを作ることが大切だと思っています。コアな軸ができた頃に、将来、自分が何を目指したいのかがようやく見えてくるし、次に何を経験すべきかのプランも立てられるようになる。
コアがないまま好き嫌いで動いてしまうと、せっかく、吸収して土台を作るのに最適な時期なのに、何も得ないまま時間が過ぎてしまって、非常にもったいない。苦しいことや、「このままで大丈夫だろうか」と思うことがあっても、次に何かが見えてくるまではぐっと頑張ることも大事だと思っています。