株式会社テレビ神奈川

営業本部 営業推進室 営業推進部長／種子島 幸

──今回、外部から「副業・兼業」としてメンバーを迎えることになりましたが、種子島さんが新しいメンバーへ期待することについて教えてください。

通信やITの知見を持つ方にジョインしていただくことで、テレビだからこそ実現できる新しい価値やサービスを提供していきたいと考えています。

そもそも、民放テレビ局におけるお客様は、広告主と視聴者の大きく2方向に分かれます。私たちのビジネスは、その双方に満足していただかなければなりません。しかし、多メディア化が進み、放送と通信との垣根がなくなってきた現在も、テレビの世界では、昔から変わらず「視聴率」が大きな指標であり続けています。あらゆる局面でデジタル化が進む現代において、よりメディアとしての価値を高めていくために、新たな方向を切り開き、新しい指標のもとでサービスを作っていきたいと考えています。

──新しい取り組みとして「かながわMIRAIキャンペーン」をスタートされていますが、このキャンペーンの概要についてご説明をお願いします。

テレビ神奈川は県唯一のテレビ局として地上波放送を行っていますが、神奈川はそれ以外にも、キー局をはじめとしたメディアやエンターテインメントコンテンツが豊富にあるエリアです。その中で独自の地位を築き価値を高めるために、私たちは、ローカル性や地元愛を示すことを大切にしています。

最近スタートした「かながわMIRAIキャンペーン」も同様に、「地元」をテーマとしたもの。神奈川に住む方に、この先も「神奈川で暮らしていて良かった」と思ってもらい、テレビ神奈川を長く愛してもらえるような関係性作りの一環として始めたものです。具体的には、神奈川県内の子育て支援策や暮らしの課題解決を目的とした施策とのコラボレーション企画を実施していきます。

現在、その第一歩として、2020年1月1日以降に出生したお子さんを持ち、申込・受取時に神奈川県内の住所に住民登録があるご家庭を対象に、協賛企業様の商品を詰め込んだ「はじめてばこ」をプレゼントするキャンペーンを行っています。

しかし、ここで築いたお客様との関係性を、今後どのように生かしていくかは定まっていない部分も多くあります。今回参画していただく方には、このキャンペーンから得られるものを、いかに活用していくか検討するうえで、ぜひお力を貸していただきたいと思っています。

──今後、新しい価値やサービスを生み出していくうえで、現在、向き合っている課題について教えてください。

一つは、私たちが持つデータをビジネスにおいて十分に有効活用できていないことです。東京都に次ぎ第2の人口規模を誇る神奈川県で唯一のテレビ局ですから、持っている視聴者データは膨大。しかし、データをもとにしたコンテンツの制作や地域の課題解決を実現できていないと感じています。

もう一つは、マーケティングにおける課題です。テレビ業界は、他の業界に比べてマーケティングの領域で後れを取っていると感じます。テレビは今でも、人々にとって一番身近なメディアであることに変わりはありませんが、インターネットから得られるデータと比べると、精緻な分析などができていない実情があります。視聴者はコンテンツに満足しているのか、目指すターゲットに本当に届いているのか、広告主がメディア価値に応じた成果を得られているのか。ネット広告隆盛の時代において、いかにしてテレビのメディア価値をアップさせていくのか。そのための策を講じていきたいと考えています。

──そのうえで、今回参画する方に、具体的にどのような活躍を期待されていますか。

私たちのようにテレビの世界で生きてきた人間とは別の視点から、新たな可能性を示していただきたいです。テレビ神奈川はローカル放送局ですから、前述した視聴者データにしても少し特殊ですし、キー局に比べるとコンテンツの特性も異なります。そういった特性を正しく理解したうえで、新しい観点でデータをどう分析・活用していけるか。その可能性を示していただきたいと考えています。

──今回は「戦略ディレクター」「プロダクトマネージャー」の2つのポジションで募集することになりますが、それぞれの具体的な役割や業務内容について教えてください。

まずはテレビ神奈川の持つデータやコンテンツ、そしてその特性を理解していただいたうえで、データ分析の仕組みを作ることが大きなミッションです。さらに、放送と通信それぞれの特性を生かした新しいサービスを提供していくためのスキーム構築をお任せしたいと考えています。

そのうえで、戦略ディレクターには、アイデアやビジネス化・マネタイズ化といった企画面を中心に、プロダクトマネージャーには、そのアイデアを実現するための技術面を中心にお力添えいただきたいです。実際に手を動かす業務については、社内外のメンバーが担当するため、その前段階となる企画や設計、運用方法・体制の構築などについて指揮をとっていただく役割をイメージしています。

働き方については相談のうえで決定したいと思いますが、現状は週1回の勤務、月1回のペースで対面によるミーティングの実施、それ以外はリモートワークという形を想定しています。

──テレビ神奈川のみならず、テレビ業界全体にとっても大きな意義を持つ今回のプロジェクトを、どのような方と一緒に取り組んでいきたいとお考えでしょうか。

一部では「オワコン」といわれることもあるテレビですが、最も身近で、最も広い世代に浸透し続けているメディアであることには変わりありません。私たちと同じように、「テレビでもっとこんなことができるんじゃないか」という明るい可能性を信じられる方と一緒に仕事をしたいですね。

また、私たちのマーケットである神奈川は、非常に多様性に富んだ可能性の大きい街です。ただ人口が多いだけでなく、日本の中で相対的に見れば若い世代が多いエリアですし、都市部もあれば海岸部も山岳部もある。まだまだ開拓・発展の余地が大きいと思います。そんなマーケットを魅力に感じ、前向きに取り組んでいける方にぜひ来ていただきたいと思います。

──今回のプロジェクトに参画するからこそ得られるキャリア価値について教えてください。

テレビの新しい可能性を一緒に開拓していけるというプロジェクトの主目的以外でいえば、得られる人脈の広さが挙げられるでしょう。

テレビ神奈川が持っている人脈は、きっと多くの方が想像する以上に広いものです。たとえばクライアントである大企業、それも役員クラスの方とのつながりが多くあります。また業種に関しても、自治体や公共団体のほか広告会社や芸能系の会社、技術系の会社など幅広くお付き合いがあります。そういった方々とのつながりは、これからのキャリアにおいて大きな価値となるのではないでしょうか。

──では最後に、この記事を読んでいる未来のメンバーへ向けてメッセージをお願いします。

副業・兼業での募集は当社にとって初の試みであり、今回お任せする役割も当社初のポジションです。初めて尽くしのチャレンジですが、これから新しい柱を作りたいと考えている当社において非常に重要なプロジェクトです。そのスタートをお手伝いしてほしいと思います。ぜひ一緒に、テレビの、そして地域の未来につながる仕事を作っていきましょう。