戦略コンサルティングファームで、さまざまな業界の戦略立案や組織変革、ターンアラウンドなどに携わり、留学、海外オフィス勤務を経て、2013年に楽天に入社しました。コンサルタント業務を通じて、少人数で論理的に最適解を発見する仕事に面白さを感じていましたが、事業会社で、顧客や競合がダイナミックに動く状況を目の当たりにしながら、チームを動かし、数字にコミットする仕事をしてみたいという思いに駆られ、転職を決意しました。

楽天を選んだ理由は、掲げている「崇高なビジョン」の難易度が高いことを承知のうえで、そこに挑んでいる企業だと思ったからです。例えば、ECでは「1st party」と呼ばれる、リアルの流通をオンラインに置き換える事業の方が、よりシンプルで効率的です。しかし楽天は、複雑さを覚悟しながら、4万店を超える店舗をアグリゲートし、ひとつの魅力的な場を作っています。統一感や効率性を確保するのが前者に比べて難しいことは理解したうえで、それでもエンパワーメントというビジョンの下、より難しい問いにチャレンジしています。

入社後は、社長室に配属され、主に国内の事業再生や新規事業の立ち上げ、M&Aなどに関わりました。その後、アメリカのシリコンバレーを拠点に、買収した企業を束ね、全体の方向性を策定するための「Regional Headquarters（地域本社）」の立ち上げを行いました。買収先の起業家たちと議論を重ね、説得していく過程は、コンサルタント時代の海外勤務でも経験できなかったもので、日々悩みながらも、グローバルチームのマネジメント経験をより深化させるものでした。同時に、楽天で携われる仕事のスケールの大きさも実感しました。

そして現在は、国内最大級のインターネット・ショッピングモール「楽天市場」において、経営企画、予算管理、M&A、ジャンル別戦略立案等の責任者を担当し、流通金額2兆円を超える巨大なマーケット・プラットフォームの将来を議論しながら、同時に日々の施策の検討、実行を行っています。

楽天という会社は、規模は大きいですが、変革を続けるベンチャーマインドの根強い事業会社です。より大きな成長へ向けて、従来のやり方を変えるタイミングでもあり、解決すべき課題はまだまだ沢山あります。国内外の多岐にわたる既存事業、巨大プラットフォーム、新たに立ち上げる事業など、幅広い案件の戦略立案や企画に携わることができるため、戦略コンサルタント経験者で事業会社への転職を考えている人にとっては、より壮大なテーマの課題解決を一人称で取り組める魅力的な環境だと思います。

楽天を選んだ最大の理由は、その成長スピードにあります。前職では戦略コンサルタントとして金融業界を担当していましたが、提案内容を実行のフェーズへと落とし込むところまで関われることが少なく、もどかしさを感じていました。そこで「問題提起から実行まで一気通貫でビジネスに携わっていきたい」という思いを実現するために事業会社への転職を決意。もともと興味のあった美容業界に携われること、新規事業の立ち上げに興味を持ったこと、コンサル出身者が多く自分自身をより成長させられる環境だと考えたことから、楽天への入社を決めました。

配属されたのは、新規事業である楽天ビューティの立ち上げに携わるポジションです。事業の戦略立案に携わるなかで、1年間で3社のM&Aを実行したことが大きな自信につながりました。楽天には、いわゆる日本の大企業で見られる社内スピードの遅さはなく、インターネット業界全体の動きの速さと、楽天ならではのスピードをダイレクトに感じながら、事業の成長も日々感じています。

事業に欠けている部分を見つけてどう埋めていくか、買収なのか自力で解決していくのかを「自分たちで」考えるプロセスは、事業会社だからこその能動的な動きで、非常にやりがいがあります。また前職では、経営戦略という「上流」部分について考えてきたため、一事業の戦略を立案する立場となった現在、その戦略が現場の営業やマーケティング部門でどこまで実現可能なのか、無理はないかなどの「現場の肌感覚」という点では、まだまだ学ぶところは多いです。しかし、現場に足を運び、現実的な数字感を把握することで得られるものは多く、とても刺激的です。

時代の流れにそって企業が目指す方向性も刻々と変化していきますが、その経営判断を間近で体感できることも非常に貴重な経験です。コンサルタント経験者のなかには、事業会社での経験を経て経営者になりたいという方もいらっしゃると思いますが、特にビジネスをどう動かしていくかという点において、大胆な発想力や変化を恐れない柔軟性を持つ楽天から学べることはとても多いと思っています。