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農林水産省

農林水産業の未来を見据えた検査を担うプロフェッショナル

農林水産省において、農業協同組合(JA)や農林中央金庫などの関係団体が適正に運営されているかを検査している検査・監察部。市場リスク・信用リスクの検証や経営状況の分析などを通して、各団体の業務運営をより強固にサポートしていくため、現在、検査官の増員を計画しています。今回は、検査業務がどのように社会に貢献するかや、検査官として働く魅力について、草野検査課長と豊海検査官の2名にお話を伺いました。

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募集期間:2020年1月30日(木)〜 2020年2月26日(水)

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迫るリスクを検査で明らかにし、農林水産業の未来を支える専門家集団

大臣官房検査・監察部 検査課長/草野 純一(左)

──農林水産省における検査・監察部の役割について教えてください。

検査・監察部は、JAや農林中央金庫、信用農業協同組合連合会(信農連)といった系統金融機関、共済団体などについて、「適正に運営されているか」「コンプライアンスは守られているか」などを検査・分析している部門です。検査の対象となる組織・団体は地域の農林水産業や食の安全を支えているので、検査を通して組織・団体の運営をサポートすることはもちろん、その先にいる国民の暮らしに貢献することも意識しています。

──今回、市場リスク・信用リスクの検証や経営分析を行う検査官を、外部から採用することになった背景には何があるのでしょうか。

大きく分けて2つの背景があります。1つは、JAバンクなどの系統金融機関が持続可能なビジネスモデルを構築できるよう、私たちが未来を見据えて検査を行う必要性が高まっていること。もう1つは、そのなかで求められる金融業界での経験や専門知識を有する人材がますます必要となっていることが挙げられます。

前述の「未来を見据えた検査」についてですが、従来はマニュアルをもとに過去の管理態勢を検査するのが主流でした。それがここ3、4年の間に、事前にリスクなどについて仮説を立て、客観的なデータと照らし合わせた上で、そのリスクを系統金融機関の担当者に説明するようなスタイルに変わりました。検査が「過去を振り返る」ものから「未来への気づきを与える」ものになってきたのです。

昨今の低金利政策により、「他の金融機関と同様、系統金融機関で収益を上げることは難しい」という声を耳にします。しかし農家の方々にとっては、系統金融機関の安定的な運営は重要なことですので、私たちの検査が系統金融機関などの運営の一助になればと考えています。

そうした検査を行う上での「専門知識の充実」という課題については、これまで省内の人材を育成することで対応してきました。たとえば、金融に関する専門知識を学べる通信教育の受講や大学院での学習を支援したり、省内外の講師による検査官向けの勉強会を実施したりしてきました。ただ、金融業界を取り巻く環境の変化は、人材が成長するスピードを上回るほど速く、並行して外部から実務経験者を採用することも一つの有効な方法だと考えられるようになったため、銀行や証券会社、信用金庫など民間の金融機関でリスク管理部門の実務経験を積まれた方を必要としています。

国民のために、より良い検査の実現を目指すワンチーム

──農林水産省の検査官として大切にしていることは何でしょうか。

いわゆる「お役所」的にただ検査や指摘を行うのではなく、「誰のために検査をするのか」を常に意識するようにしています。実際に、検査対象者に納得してもらえるように双方向の議論を行い、その先にいる国民のために検査対象者の業務運営に貢献する、といった行動指針を掲げています。検査対象者への接し方については、行政機関だからといって「何かを強いる」というスタンスではありません。その道のプロである検査対象者を尊重しながら信頼関係を築くことが大切です。

また、案件ごとに5名前後のチームを編成して検査に臨むため、その都度「真のチームをつくる」ことを目指しています。表面的ではなく本質的なチームワークを心がけ、「今回の検査では、何を重点項目とし、どのように検査対象者の理解と納得につなげるのか」を協力して考え、検査に取り組んでいます。

──社会的にも意義深い、国の立場から行う検査業務を、どのような方と一緒に進めていきたいですか。

金融機関でのリスク検証の経験も大切ですが、それよりもまず農林水産業について興味・関心がある方と働きたいです。今は農林水産業のことをほとんど知らなくても、検査を通して「地域を守る」「国民の暮らしを支える」といった使命感があれば、活躍していただけると思います。

日本の農林水産業の実態・課題を広く知ることができ、直接的ではないものの、その産業に影響を与えることができるのも、この仕事の魅力です。たとえば、自身の検査で明らかになった課題・問題点に対し、必要に応じ指導監督部局の指導によって検査対象者の業務改善が進み、結果として農林水産業の振興や支援に貢献できる。こうした行政機関ならではのダイナミズムを味わえる仕事だと思いますので、興味がある方はぜひご応募いただきたいです。

金融機関での信用リスク管理の経験を生かせるフィールド

大臣官房検査・監察部 検査官/豊海 富商

──豊海さんはもともと民間の金融機関で働いていたと伺いましたが、なぜ農林水産省の検査官に転身しようと思ったのですか。

前職の信用金庫では、さまざまな業界を対象に信用リスク管理業務を行っていましたが、農林水産業にはあまり接点がありませんでした。そこで、対応できる業界の幅を広げたいと思ったのと、金融の「ハブ」になれるような仕事をしたかったため、行政機関という新しい環境に挑戦することを決めました。

──新たに入省される方にお任せする、検査官の具体的な仕事内容について教えてください。

JAや信農連などの農林水産省が所管する系統金融機関への検査のなかで、市場リスク・信用リスクの検証、経営内容の分析・調査、分析レポートの作成などを行います。市場リスクについては、フロントおよびミドル部門などでのリスク管理態勢を検証し、信用リスクでは、貸出審査や期中管理などを検証するのが具体的な仕事内容です。

実際に検査業務に取り組む際には、案件ごとにチームを編成して、本検査前の約1カ月間で検査対象者の状況把握やデータ分析を行い、課題・問題点について仮説を立てながら検査の方向性を決めていきます。その後、検査対象者を訪れて約2週間の本検査を実施し、本検査終了後は、検査結果の説明や報告書案のとりまとめ、指導監督部局への引き継ぎなどを行います。

──検査対象者と密に関わるなかで、心がけていることはありますか。

「どのような言葉で伝えるか」という点は、かなり気を配ります。本検査では、検査対象団体の担当者はもちろん、理事長や役員クラスの方々と経営について議論することがあります。検査官が検査対象者にできるのは「指摘」で、具体的な「指導」まではできないため、検証の過程でいかに双方向の議論を重ね、最終的に納得してもらえるかが最大のポイントといっても過言ではありません。

そうして私たちの思いが検査対象者に届いたときには、「課題がわかって本当に助かった」と感謝してもらえたり、後に「検査対象者に行動変容が起きている」と指導監督部局から共有を受けたりします。対話力が求められる大変さはありますが、それ以上の達成感を味わえますね。

想像を超えるスケールと影響力を体感できるチャンス

──行政機関だからこそ感じられる仕事の魅力はありますか。

国の金融システムにも影響を与えるような、100兆円規模の預貯金を持つ系統金融機関などの検査に関われるのは、この仕事ならではの魅力ではないでしょうか。大規模な案件では、金融庁や財務省と連携したり、最先端の検査手法に触れられたりという機会が多く、国の検査官としての誇りと責任も感じられます。

また、本省には全国の系統金融機関に関するデータがそろっているため、データの活用によって的確な検査・分析をしやすい上、各地の農林水産業についての知見も深められます。検査時には現地に赴くため、出張の頻度も多く、日本各地の農産品や食文化に関心のある方にはそれも楽しみの一つになると思います。

──この記事を読まれている方へのメッセージをお願いします。

的確な検査を行うためのプロ意識と、検査対象者の「苦労」や「痛み」を感じ取れるような心を併せ持つ方に来ていただけたら、うれしいです。検査業務を重ねるうちに「国民のために何ができるか」という思いも自然と強くなるので、国の検査官としての誇りを持ちながら、この仕事を楽しんでいただきたいと思います。

金融規制などの世の中の変化に伴い、検査項目も変わりつつあるため、日々の勉強は不可欠ですが、研修の機会や資料は豊富にありますし、メンバー同士でお互いをフォローする風土もあります。自分の仕事が一つの産業全体に影響を与えるかもしれないというスケール感が味わえるこの仕事に、ぜひチャレンジしていただきたいと思います。

今回の募集について

農林水産省ではJAや信農連などの団体に対し、適正な経営をサポートするために、会計やコンプライアンス上の管理態勢などの検査を実施しています。その業務を担う検査官は、省内の各部門の出身者のほか、金融庁や地方公共団体からの出向者、民間の公認会計事務所からの任官および転職者など、約160名の体制で業務にあたっています。

一方で、近年は「有価証券を運用することで市場リスクはどう変わるのか」など、金融業界での専門知識が求められる案件が増えており、現状の体制では対応が難しくなってきているため、金融機関などで市場リスクや信用リスクに関するリスク管理部門の実務経験をお持ちの外部人材を採用することにしました。

求める人物像

農林水産省は、農林水産業の振興や、食の安全および安定供給を所管する行政機関です。検査官の仕事も、JAなどの経営における健全性を守ることで、その先にいる国民や農家の方々に貢献するものでなくてはいけません。そうした意識を持っていただくことがなによりも大切です。

また、省内外のステークホルダーが多い仕事であるため、対話やコミュニケーションも重要な要素です。そのほか、金融機関などで培った知見をチームのメンバーに共有したり、行政機関ならではの業務の進め方や検査業務、専門知識について意欲的に学び、習得したりすることも求められます。

得られるキャリア価値

検査対象となる組織・団体の経営層や、連携する金融庁・財務省の職員などと折衝する機会が多いため、ネットワークが広がります。また、個別の組織・団体に対する検査を通じて、日本の農林水産業の現状や課題、今後のあるべき方向性などを俯瞰的に捉えることができ、広い視点での課題解決力などを養えます。

募集職種

  • 【農林水産業の未来を支える】市場リスク・信用リスクの検証、経営分析を担う検査官
    • リスク・与信・債権管理
    • 東京都

    【募集背景】 農林水産省では系統金融機関(JAバンク(農林中央金庫、県信農連等)、JFマリンバンク(県信漁連等))に対し、適正な経営をサポートするために、会計やコンプライアンス上の管理態勢などの検査を実施しています。 一方、近年の金融を取り巻く環境の変化に加え低金利、地域人口の減少・高齢化等の厳しい経営環境のもとで、どのようにして持続可能なビジネスモデルを構築し、地域経済・社会に貢献していくことができるかが長・中期的な課題となっています。 これらの課題に対応するためには、金融機関等における市場リスク管理や信用リスク管理の業務経験を有する専門家の知見が必要となっていることから、金融機関等での勤務経験を有する方を採用し、より強固な農業の未来を支えるチームにしたいと考えています。 【組織体制】 省内の各部門の出身者のほか、金融庁や地方公共団体からの出向者、民間の公認会計事務所からの任官および転職者など、約160名の体制で業務にあたっています。民間企業からの転職者も活躍されています。勉強会を実施したり、足りない知見はみんなで学び合う風土があります。 【仕事内容】 JAバンク等の検査のうち、下記業務に従事 ・市場リスク(リスク量の計測手法、バックテストの実施態勢、ストレステストの実施状況、アラームポイントの設定状況等)の検証 ・プロファイリング(信用農業協同組合連合会や信用事業を行う農業協同組合の経営内容の分析等)の実施 ・信用リスク、農業関連融資等の検証 【選考方法】 第1次選考:書類選考(ビズリーチ上の職務経歴書より実施) 第2次選考:面接選考(1〜2回程度を想定)