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花巻市

ICTの力で花巻市の業務プロセスを革新する

岩手県のほぼ中央に位置し、豊かな自然に包まれた花巻温泉郷をはじめ、岩手県名物である「わんこそば」の発祥地として知られる花巻市。今回、業務プロセス改善を推進する、ICTを活用した行政改革プロジェクトリーダーを募集します。デジタル化を進めることで、花巻市の新たな未来をどのように描くか。花巻市の業務効率化と市民サービス向上に対する思いを交え、副市長の長井謙氏、プロジェクトを推進する情報政策推進室の職員にお話を伺いました。

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募集期間:2020年1月9日(木)〜 2020年2月5日(水)

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最新テクノロジーを取り入れ、市民のために「温かい行政」を目指す

副市長/長井 謙

──昨今、ICTの利活用を進める自治体は増えてきています。業務プロセス改革やICT推進において、花巻市ではどのような取り組みを行っているか、市の現況と併せてお聞かせください。

花巻市は、宮沢賢治生誕の地として知られ、近年ではメジャーリーグで活躍する菊池雄星選手、大谷翔平選手の母校である花巻東高校や、埼玉西武ライオンズで活躍する山川穂高選手、外崎修汰選手らの母校、富士大学があることでも有名です。現在、上田東一市長の下、「移住・定住支援」や「リノベーションのまちづくり」などの地域活性策に意欲的に取り組み、地方自治の先進事例として注目されています。

私は2019年4月に中央省庁から派遣され、花巻市の副市長を務めています。より市民へ貢献するためには、行政に携わる「人」が大事であると考え、まずは職員の就業環境を改善しようと、ICTの利活用を進める業務プロセス改革プロジェクトに取り組んでいます。

──花巻市では業務プロセスのICT化の進展に向けて、どのような組織で事業を進めているのでしょうか。

市長の強い意志を受けて、ICTを活用した業務改善の推進チームとすべく、総合政策部内にある情報政策推進室で、さまざまなプロジェクトに取り組んでいます。情報政策推進室には、民間から転職した元システムエンジニアも所属しており、行政にありがちな前例主義や保守的な姿勢を改め、最新のテクノロジーを取り入れながら、具体的な改善活動に日々努めています。

例えば現在、検討している事項の一つが、市役所内のデスクトップパソコンをタブレットに移行させた場合のコスト検証です。これは、会議資料のペーパーレス化や印刷等の時間削減を期待して、市長から投げかけられたテーマです。Wi-Fiアクセスポイントの増設などの導入経費や人件費の削減見込みなどを踏まえ、長期にわたって試算せねばなりません。現在、実現の可否を検討するうえで必要な判断根拠となる資料を作成しています。

このように情報政策推進室は、さまざまな検討課題に対して否定から入るのではなく、まず検討に必要なデータを集めてみることに積極的な部署です。そのうえで何かしらの成果や事例を早期に形にし、市役所内に業務改善やICT化への関心・共感を醸成することが大事だと考えています。

ICTの導入で市民との丁寧なコミュニケーションに注力できる

──業務のICT化を進めるなか、花巻市は今後、どのような行政の姿を目指しているのでしょうか。

人口減少社会における少子・高齢化の進展等により、子育て支援や福祉施策の充実をはじめ、行政に求められることは時代とともに増え、複雑化かつ高度化し、職員の業務負担が増加しております。一方、全国の自治体と同様に花巻市も財政は決して潤沢ではなく、直ちに職員を増員できる状況にはありません。

そのため、各業務の効率化が喫緊の課題です。本年度、当市が行ったRPA(Robotic Process Automation)の実証実験では、60%~90%程度の作業時間の削減が確認されています。このような作業時間の削減は、単に労働時間が減るということだけでなく、多くの職員にとって苦痛な面もある単純作業が減るということであり、それにより職員が身体的にも、精神的にも職務に邁進できる環境を整えることにつながります。今後、さらにICTの先端技術を用いながら業務軽減を図ることで、職員が本来、注力すべき市民との丁寧なコミュニケーションや、政策の企画立案といった業務に、もっと時間と労力を費やすことが可能となるでしょう。

ICTというとロボットやAIが想起され、「導入は行政の無機質化を招くのでは」というイメージも持たれがちですが、むしろその逆だと考えています。職員の業務負担を軽減し、労働環境を良くすることにより、そこで生まれた時間を、本来業務に充てることで、職員に心身ともに余裕ができ、より丁寧な「温かい行政」の実現につながると考えています。

──花巻市の特徴や魅力についてお聞かせください。

1市3町が合併した花巻市は、旧花巻市のエリアのような現代的な市街地もあれば、散居村といわれる田園風景や美しい星空、泉質・湯量ともに豊かな温泉郷といった恵まれた環境も享受できる土地です。

このような生活の場としても魅力的な土地で、市民の幸せに貢献するべく力を発揮できることは貴重な体験であり、私の家族もここでの生活を楽しんでいます。外部の土地から、また、民間から転身いただくのは大きな挑戦ですが、ぜひ一緒に花巻市の未来の礎を作っていきましょう。

ICTの活用で行政改革を導くプロジェクトリーダーに必要なこととは

総合政策部 総務課 情報政策推進室 上席主査/鎌田 明洋

──業務改善プロジェクトを推進する情報政策推進室で、現在手掛けていることについて教えてください。

2019年度の大きな活動としては、市役所内の8つの業務でRPAの導入に向けた調査・検証を行いました。例えば、償却資産申告書の住民情報システムへの取り込み、転入出・出生・死亡等の届け出データを一元化した、住民の異動者リストを月次作成するといった、さまざまな業務の見直しから始めています。さらに、それ以外にも効果が見込める業務の抽出作業も並行して進めているところです。

またルーティン業務として、市役所内で混在する各種コンピューターシステムやネットワークの管理・監視、および耐用年数の近づく端末の更新業務なども行っています。

──情報政策推進室のメンバーは、日進月歩のICT情報をどのように学び、研鑽されているのでしょうか。

行政経験のあるICT専門家に、アドバイザーとして月1回、市役所内にて相談・提案に携わってもらっています。また、県内外で開催されるICT業界の地方公共団体向けセミナーや研修会、最新機器・サービス等の見本市にはメンバー全員が積極的に参加し、情報収集に努めています。

しかし、それでも実務面におけるICT利活用の経験は多くないため、庁内各課からシステム導入などの相談を受ける際にも、自信を持って応じるまでには、至っていない状況があります。

──そういった課題を踏まえ、今回募集するプロジェクトリーダーにお任せしたい業務内容について具体的にお教えください。

プロジェクトリーダーには、新たにシステムを開発すべきか、既存システムやサービスで対応可能か、あるいはそれ以前に、仕事の手順の見直しで改善できるかなど、適切に判断・推進していただきたいです。ICTの知見・経験が豊富なリーダーとして、個別案件に対応するだけでなく、市役所全体を俯瞰して、ICT改革を進めていく役割も期待しています。

行政における定型業務は、民間や外部の方からすると、それ自体を疑問に思われることも多いでしょう。そこを忌憚なく指摘してもらい、プロセスの改善や仕組みの導入を一緒に図っていきたいです。

市役所全体を巻き込み業務の改善プロセスを実行に移す

──任期は3年となりますが、プロジェクトリーダーに期待する役割はどのようなものがありますか。

3年間のイメージとして初年度は、まず市役所内の業務や体制を把握し、課題を洗い出していただきます。そして職員に対し、一時的には業務負荷のかかる、業務の見直しや改善プロセスについての理解、共感を得てもらえるよう、巻き込み力を発揮してもらえればと期待しています。

まずは現在、業務負荷が大きい部署を中心に、私たちと一緒に現場を詳細に見てもらい、無駄な業務や非合理的な業務プロセスの抽出から手掛けてもらう予定です。

また、職員全体のICTリテラシーの向上にも注力していただきます。そして、市民サービスにおけるICT利活用の道筋を立てるところまでお願いしたいと考えています。人工知能(AI)や「bot」による問い合わせ対応の自動化をはじめ、将来的には、例えばコミュニティーバスのルートの自動生成、さらには自動運転による運行などが展開できればよいですね。

──最後に候補者に向けて、メッセージをお願いします。

東北人は忍耐強く、保守的と思われがちです。たしかに、そうした面もあるかもしれませんが、花巻市役所、特に情報政策推進室では市長や副市長の下で行政改革の機運が高まっています。日頃から具体的に変化を起こしていこうと話し合っており、改善の成功事例を一つ一つ形にしていくことで、職員の理解や共感を引き出していこうとしています。

岩手県は方言も穏やかで、都市部からいらっしゃる方も苦労はされないでしょう。3年後には自走できるよう鍛えてもらえることを、われわれ自身、待ち望んでいます。

また行政未経験の方にとっても、詳細な業務の改善と大きな青写真を描くことを直接手掛ける経験を得ていただけます。その際に、ICTは手段であって目的ではなく、行政としては市民の幸せな生活こそが目標だという、私たちの信念も理解いただければと思います。

「市民への貢献」を主眼に、市役所内の改革機運を醸成

市長の命を受け、副市長が推進する業務プロセス改革プロジェクトは、市役所内全体の視点と、現場・市民視点でのプロジェクト推進を目指しています。そのため現在、花巻市役所内部にあるICTの知見やノウハウをさらに引き上げ、新鮮な目で行政における業務を見直し、改善の具体策を示して、共に実行に移してもらえることを求めています。

仕事内容/生かせる経験

業務改革において重要な「なぜか」という疑問を持つ視点に加え、ICT活用の知見・経験に基づいた、市役所内の適切な業務改善方法の見極めや提案、各種ベンダーなどIT業界の専門家と私たち市役所サイドとの円滑なコミュニケーションの橋渡し役なども期待しています。

現在も外部から助言をくれるアドバイザーはおりますが、一定の期間、花巻市に腰を据えて「仲間」となることで、業務プロセス改革のビジョンとアクションプランの策定から実行に加え、職員のICTリテラシーの向上を目指して、自走できる風土づくりを進めていきます。さらには、行政活動の主眼である市民サービスにおいても、デジタル化による質の向上への礎を築いていただきたいです。

求める人物像

最終的には自走できる組織・環境を目指しており、そこに向けて現場の士気を高めてくれるムードメーカー的な素養が大事です。情報政策推進室のメンバーとともに各課の「現場」へ入り込み、「チーム花巻市」としての結束感をうまく醸成しながら、プロジェクトを推進していただける実行力やリーダーとしてのコミュニケーション力を求めています。

得られるキャリア価値

花巻市は平成の大合併で1市3町が一つとなり、人口9万5,000人を擁する地方都市です。岩手県唯一の花巻空港を有し、東北新幹線や東北自動車道といった高速交通網も整備されています。全国の自治体と同様に、少子高齢化に起因する社会課題に直面しており、その解決が求められます。そのなかで市役所職員という、地元で信頼の厚い立場として、業務改善やICT活用による改革を自ら手掛けることができます。切実な危機感を持つ地方だからこそ検証・実装ができるテクノロジーもあるでしょう。

花巻市は他の自治体に先駆けて業務を見直し、ICTを活用していくことで、地方自治の先進事例になりたいと考えています。花巻市での成功経験は、他の自治体でも生かされるでしょう。また民間のビジネスにおいても自治体の業務プロセスを理解し、変革したことは大きな価値になると考えています。

募集職種

  • ICT活用行政改革プロジェクトリーダー
    • 事業企画・事業統括 業務プロセスコンサルタント システムコンサルタント
    • 岩手県

    【募集背景】 花巻市が推進する業務プロセス改革のプロジェクトリーダーを募集します。 花巻市における業務プロセス改革プロジェクトは、全体最適の視点と、現場視点、市民視点でのプロジェクト推進を目指しています。 一方で、現在、花巻市役所内部のICTの知見やノウハウは限られています。今回、民間のICTに関する経験を持つプロジェクトリーダーを採用することで、花巻市の業務効率化を進め、職員の身体的・精神的負担の軽減を図ります。そして、職員が本来、注力すべき市民との丁寧なコミュニケーションや、政策の企画立案といった業務に専念できる体制を整え、市民サービスの向上を進めていきます。 【仕事内容】 (1) 業務プロセス改革の実行 職員から業務のヒアリングを行った上で、業務プロセス改善に向けた適切な手法(AI、RPA、システム導入等)を検討し、職員とともに改善プロセスを実行します。現場の知見にICTのノウハウを加えることで成功例を積み重ね、より多くの部署において、ICTを活用した業務プロセス改革を推進していきます。 (2) 情報システムなどに関するアドバイス 花巻市において導入するシステムやICT機器に関するアドバイスを行います。部署ごとの判断ではなく全体最適を目指す観点や、市役所にとって必要十分なスペック、費用の相場、業界のトレンド・展望などを意識した中長期的な費用対効果などの観点からのアドバイスを行います。 (3) 市民サービスのデジタル化の推進 行政内部の業務改善にとどまらず、市民サービスの質の向上の観点に立ったICTの利活用方策を検討し、関係部署への提案・アドバイスやプロジェクトマネジメントを行います。 (4) 職員のICTリテラシーの向上 職員一人一人がICTを活用した行政改革を推進していく土壌をつくるため、ICTリテラシー向上の取組みを推進します。 (5) 業務プロセス改革のビジョンとアクションプラン作成 総合政策部総務課等の職員、幹部職員とともにデジタル化を前提とした業務プロセス改革のビジョンとアクションプランを作成します。現状からの積み上げではなく、未来からのバックキャスティングで花巻市のあるべき姿を描き、アクションプランに落としていきます。 【選考方法】 1次選考:書類選考(ビズリーチ上の職務経歴より選考) 2次選考:面接選考(東京都内・花巻市内にて実施、オンライン面接も可) 最終選考:面接選考(花巻市役所本庁にて実施)