公益財団法人 浜松市文化振興財団

浜松市は、2014年にユネスコ創造都市ネットワークの音楽分野に加盟が認められました。これは楽器産業を基盤とした浜松市の市民による音楽文化が評価されたものであり、今後ますますの活動が期待されています。また、2020年に開催される4年に一度のスポーツの祭典を契機とした文化プログラムの全国的な展開が想定されるなか、国の推進事業も相まって地方版アーツカウンシルの必要性が高まってきています。

現在の浜松市は、吹奏楽などの市民音楽活動が盛んであり、市内に多くのアマチュア楽団が存在するのをはじめ、幅広い世代の方々が音楽事業に参加したり、音楽事業を支援したりしています。また、音楽以外にも美術や舞台芸術など、さまざまな芸術文化活動が活発に行われています。しかしながら、創造都市・浜松を目指すうえで、その活動が十分かと問われると、まだ足りないジャンル・カテゴリーが存在することも否めません。

そこで、浜松市で行われてきたさまざまな芸術文化活動をさらに発展させるとともに、新たな文化価値の創造、地域で活躍する芸術文化団体・個人の支援などを行い、芸術文化の力による都市の活性化を図るため、2018年度から「アーツカウンシル浜松」を組織化し活動していきます。

今回は、浜松地域特有の文化的・創造的資源を調査研究しながら、専門的な知識・経験を持ってアーツカウンシル浜松の事業を計画・実施する中心的役割であるプログラムディレクターを募集します。当財団が持つ芸術文化事業の経験と、ご自身が持つ経験により、新たな創造的活動の流れを生み出せる方からのご応募を期待しています。

特色ある浜松市の文化の基盤に立った創造的活動を展開するほか、文化に関する人、モノ、情報が集まり、交わり、発信するプラットフォームづくりを推進します。文化の担い手となる市民の満足度を高め、文化がまちの活力を生む創造性豊かな浜松市の実現に寄与してまいります。

浜松で行われている芸術文化活動等の調査研究をもとに、芸術文化や創造的な市民活動を活性化させる助成プログラムの構築、創造都市・浜松をけん引するパイロット事業の実施、地域で活動するアーティストやクリエーターに寄り添った中間支援活動など、浜松版のアーツカウンシル事業を統括していただきます。
文化に携わる多くの組織・団体・個人とのコミュニケーションが重要です。浜松の状況を把握し、ご自身の経験を生かして文化や創造力を地方都市の活力に変える気概を持った方を求めています。

文化力で都市を発展させる業務は、今後国内外で多く求められていくスキルですが、日本国内ではまだ取り組んでいる都市が少なく先進的な例となります。地域が持つ課題を文化によって解決する方法や、幅広い芸術文化活動に触れながら事業を企画・実施する経験においては、他のプロジェクトでは得ることのできないキャリアを積むことができると考えています。

浜松は昔から音楽事業の盛んな土地でした。中高生の吹奏楽は、全国大会常連校をはじめ多くの学校が精力的に活動しています。また大人の吹奏楽団も全国クラスの団体から生涯学習活動としての団体など多種多様な方向性を持って活動をしています。また歴史のあるアマ・オーケストラやプロのオーケストラ、室内楽団も多くの演奏会を開催しています。

現在の浜松市は合併により広大な面積を持つ市となり、山間部に点在する伝統芸能や、広い市域ゆえの地域性のある文化活動が存在します。今後は音楽のみならず市内で行われている芸術文化活動全般に焦点を当てるとともに、新たな創造的人材を育成するため、助成事業を中心とした支援事業や、創造都市をけん引するパイロット事業の実施などが必要となってきます。

アーツカウンシル浜松は、既存事業の継続を進めていくのみではなく、さまざまな交流や協働、世界の文化との融合など、新しい芸術文化の風を吹き込む、市民自らが創造的な芸術文化活動を実施できる環境づくりとその仕組みの構築に取り組んでいきたいと考えています。

芸術文化を創造都市の観点から捉え、浜松市民とともに新たな価値を創造し活性化できる方をお待ちしています。